万年筆初心者にもおすすめ!万年筆の魅力を感じる『プラチナ#3776』


万年筆初心者にもおすすめ!万年筆の魅力を感じる『プラチナ#3776』

ひさしぶりの万年筆との再会

以前の投稿で、万年筆が好きになるきっかけとなった ペリカン LEVEL L5 の話を紹介させてもらったが、廃盤商品となり消耗品の入手も困難になってしまったため、万年筆から遠ざかっていた時期がかなり長くなっていた。

先進的すぎるがゆえに消えていった万年筆『ペリカン LEVEL L5』

その後の筆記用具は何を使っていたかというと、ボールペンである。最初はいろいろなボールペンを試したみた。見た目がオシャレなBICのボールペンや、定評があるブランド、パーカーやクロス、モンブラン、日本メーカーのボールペンなども試してみた。

しかし、万年筆を使っていて感じていたワクワク感を感じることが少なくて、しっくりくるものがなかなか見つからなかった。

そんな時に面白いなと思ったのが、ぺんてるの<ハイブリッド 絹物語>というボールペンである。1998年に登場して、1999年のGOOD DESIGNに選定された優れものである。日本の伝統色20色をメタリックでラインナップしたボールペンだ。ボディはスケルトンなので、インクがシースルーで見えて、文字も美しいメタリック色。

ぺんてる <ハイブリッド 絹物語>

GOOD DESIGN

デザインのスケッチを描くことが多かったので、気分が盛り上がるエモい筆記用具を求めていた私にはピッタリだった!特にお気に入りの色は「栗皮色」。メタリック調のブラウンで、仕事に使っていても違和感がないし、とにかく描いたスケッチがカッコよく見えるので、ペリカン LEVEL L5 の後継として長い間愛用した。

しかし、いつの間にか生産・販売中止になってしまったらしく、入手困難になってしまった。その後は、似たような色の代替品を探したり、普通のボールペンを使ったりしていたが、次第に筆記用具に対する満たされない気持ちが高まってきたのだった。。。

そしてある日、突然出会ったのが、購読している日本経済新聞の「こころの玉手箱」というコーナーの記事だった。

さまざまな著名人が短い連載を書くのだが、その時は。作家で俳優のいとうせいこうさんのエッセイだった。当時PCでの小説の執筆に行き詰まりを感じていたときに、教え子から万年筆のプレゼントをもらう。その万年筆を使うようになって、再び小説が書けるようになったといった内容だった。私はそれを読んで、筆記用具としての万年筆の力だと感じたのだった。

そして、その万年筆がどうしても欲しくなってしまった。

日経記事「作家 いとうせいこう(1) 教え子から贈られた万年筆」

万年筆に再びハマる!

その記事には「プラチナ#3776の中字という日本の万年筆」とあった。

いろいろ調べたところ、#3776というのは、プラチナ万年筆のフラッグシップモデルで現行モデルは、#3776 センチュリーと呼ばれている。#3776というのは、日本最高峰の品質を象徴する意味で、富士山の標高の数字にちなんだネーミングであるということ。そして中字というのは、万年筆のペン先の種類を示していて、汎用性が高く一般向けの文字の太さ、ということらしい。

同じ#3776であっても、軸や装飾や材料、ペン先の仕上げなどによって価格は千差万別。おおむね、2万円から11万円の範囲だった。

プラチナ万年筆 #3776 センチュリー

https://amzn.to/3WgHIwy

私にとっては、文字を書く機能が重要だったので、もっともシンプルで使いやすいものをと思って、「#3776 センチュリー #1 ブラックインブラック 中字」というモデルを選んだ。フラックカラーで、若干の透明度があるAS樹脂製ボディのベーシックモデルである。

プラチナ #3776 センチュリー #1 ブラックインブラック 中字

早速、使い始めたのだが、これが実に素晴らしかった!手にすっと馴染んで、ストレスなくスムーズに文字が書けるのだ!この心地よさにハマってしまった!

左からペリカン LEVEL L5、ぺんてる ハイブリッド絹物語 栗皮色、プラチナ #3776 センチュリー

プラチナ万年筆のペン先は、他メーカーのものと比較して、かなり扁平な形状をしていて、それがこの書き味に影響しているように思う。明らかに他メーカーの万年筆の書き味とは異なるものだ。言葉で説明するのは難しいのだが、分かりやすい比喩で例えると、2B程度の鉛筆で書いているような感覚というか、そんな感じなのである。字を書いていると、紙とペンが擦れる抵抗をかすかに感じつつもスムーズに書けるというか。。。あれから数年間使い続けているが、年々手に馴染んできて、ますますフィット感が増している。ほんとうに万年筆は育てるものなのだと思う。

プラチナ #3776 センチュリー のペン先はかなり扁平な形をしているのが特徴だ
左がパイロットの5というサイズのペン先。右のプラチナ #3776 センチュリーのペン先の扁平さがよく分かる
プラチナ #3776 センチュリーのペン先はサイズが大きくて見栄えがする


プラチナ #3776 センチュリー は初心者にもおすすめ!

巷の万年筆の雑誌やネット記事では、初心者におすすめの万年筆〇〇選とか、そんな記事が氾濫している。しかし、その内容を読むと価格別、インク充填方式別、ブランド別などの万年筆が紹介されているだけで、結局万年筆を選ぶ手掛かりには、なかなかならない。万年筆選びの悩みは深まるばかりだ。

私のおすすめの万年筆の選び方は、とにかくショップに行って、試し書きをさせてもらうこと。

万年筆の個性はメーカーやモデル、ペン先によって千差万別だ。自分に合っているかどうかは、実際に使ってみるしかない。

私の個人的な感想だが、このプラチナ #3776 センチュリー は、初心者でも使いやすいモデルだということは自信を持っておすすめできる。ぜひショップで候補のひとつとして試してみてほしい。

きっと、いとうせいこうさんの小説が書けるようになった気持ちが分かるハズ。

これからも、陶磁器やアンティーク、雑貨の話はもちろん、文房具や万年筆などについての話題も投稿していきます。

それではまた。。。




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