大分やきものの旅〜「世界一美しい民窯」小鹿田焼と小石原焼を訪ねて その1


大分やきものの旅〜「世界一美しい民窯」小鹿田焼と小石原焼を訪ねて その1

日本の民藝、やきものに興味を持ってから、最も憧れを感じていたやきものが、小鹿田焼とその兄弟窯とも呼ばれている小石原焼でした。なかなか行ってみるチャンスがなかったのですが、ついに訪問することにしました。

いろいろな文献やネットの情報で見て知っていましたが、思った以上に素敵なやきものの里でした。その旅の様子をレポートしていきます。

小鹿田焼の里は、大分県日田市源栄町皿山地区、小石原焼の里は、福岡県朝倉郡東峰村で、県は異なりますが、山一つ隔てただけの距離的にはとても近いお隣さんです。

やきものとしても、とても近い関係にあります。

小石原焼は、1682年に筑前福岡藩・3代目藩主が招いた備前・伊万里の陶工が磁器を伝えて、高取焼と交流して陶器が作られるようになりました。その後、小石原から招かれた陶工によって技術が伝えられ、今日の小鹿田焼が生まれました。そのため、小鹿田焼の技法は、小石原焼の影響を強く受けています。


羽田空港から大分空港までは、約1時間半のフライト。

羽田空港から太田空港へ

天候に恵まれて、というか暑すぎるほどの晴天の中、無事到着しました。

大分空港から別府までの美しい風景

大分空港から別府までは、大分空港道路という有料道路を使いましたが、別府に行く区間は無料でした。1車線区間が多くて道幅が狭く、周囲の豊かな緑が道路近くまで茂っていて、変化に富んだ景観が素晴らしかったです。運転していて本当に気持ちがいい道路でした。

大分空港から別府市内までは、大分空港道路が便利です。この区間は無料で利用可能
大分空港道路の美しい沿道の風景
この美しい道路!
国道10号線沿いに建つ別府タワー

別府のシンボル「別府タワー」

別府タワー近くのホテルにチェックインして、別府のシンボル「別府タワー」へ。

「別府タワー」は、別府市街を南北に貫く海沿いの道、国道10号線にあります。かつては、周辺に高い建物が少なかったので、ランドマークとして親しまれていたようですが、今は周囲にホテルやマンションが建ち並んでいて、少し埋没しているような印象でした。

国道10号線沿いの「別府タワー」。形がカワイイです!
ちょっと古臭いエントランス。味があると言えばあるかな。。。

国道10号線に面したエントランスは、ちょっと一時代前の古臭い雰囲気。
2007年に国の登録有形文化財、2023年に日本夜景遺産に認定されたという表示がありました。16階と17階が展望台になっています。

立面図付きのELV内のサイン。イマイチ統一感がないフロア構成が面白い

17階が受付になっていました。別府の市街が一望できます。受付の女性によると、国道10号線を南に行ったところに、周囲より高い高崎山という山があって、野生の猿が餌付けされているそうです。

正面の大きな山が高崎山。野生の猿が餌付けされている動物園があります
展望台から別府湾の望む

登録有形文化財の銘板があって、いろいろな説明や技術の紹介、古い設備の展示などがありました。かつての別府タワーの写真なども展示されていて、往時の賑わいを偲ぶことができます。当時は文字通りランドマークとして、別府観光の主役だったのですね。

歴史を感じる登録有形文化財の銘板
17階の展示風景。かつて使われていた低圧ネオンの制御盤。かなり貴重なものだとか
別府タワーの歴史展示。古き良き時代の風景です

船の内部空間のような階段室で16階に降りると、こちらにも別府タワーの展示がありました。竣工当時の窓枠の展示や、設計者「内藤多仲」の解説はとても興味深いものでした。「塔博士」と呼ばれた内藤多仲が設計したタワーの中で、代表的な6つのタワーは「多仲のタワー六兄弟」と呼ばれているそうです。この6つのタワーは現在も健在で、名古屋テレビ塔、通天閣、別府タワーは、国の登録有形文化財に認定されています。

竣工当時の窓枠の展示。後ろに当時の風景があって、フォトスポットになっています
内藤多仲と設計したタワーの解説
内藤多仲が設計したタワー6兄弟。古いものから3つは、登録有形文化財に認定されています

別府タワー(公式)

大分グルメ満喫

亀正くるくる寿司

往路のフライトで、チーフパーサーの方と仲良くなって、別府のおすすめグルメを教えて頂きました。それが亀正です。正式名称は「亀正くるくる寿司」で、別府で一番人気のお寿司屋さんです。

ネットで調べてみると、大人気でいつも満席でかなり待たないと入れないということでした。お昼時をかなり過ぎた時間だったので、ダメ元で行ったみたところ、ちょうどお客さんの入れ替えが続いて、10分ほどの待ち時間で入店!

亀正くるくる寿司。別府の一番人気のお寿司屋さん

店内には魚の産地が記載されていて、インテリアはシックで座席間隔がゆったりしていて快適。回転寿司のお店なのですが、お皿は回転していなくてスタッフが持ってきてくれます。それぞれの席に設置されたタブレットで注文します。

味噌汁とガリはセルフサービスで食べ放題!

ゆったり座れるカウンター席。回転寿司といいながら、お寿司はスタッフが持ってきます。ガリと味噌汁が取り放題

人気の肉厚の中トロや貝類を中心に頂きました。

ネタが新鮮でボリュームがあります
一番人気の中トロ。分厚くて最高です

中トロは本当に肉厚で食べ応えがあって美味しかったので、2回も注文したほど。それ以外のネタも新鮮でボリュームたっぷり。大満足のランチになりました!

別府に来たら是非お試しください。オススメです!

亀正くるくる寿司

kamesho_9696_sushi

元祖!日田焼きそば 想夫恋

今回必ず頂きたいと思っていたのが、日田焼きそば。
明日行く予定の小鹿田のあたりが日田市なのですが、窯元めぐりをするので、時間がないと予想。別府で日田焼きそばが楽しめるお店を探しておきました。

日田焼きそばは、大分県日田市のご当地グルメとして有名。太い麺を鉄板でカリカリになるまで焼いて、もやし、豚肉、ネギなどを入れて炒めて、甘辛いソースで味付けをした焼きそばです。想夫恋の初代が生み出したと言われています。

ということで、お目当ては「元祖! 日田焼きそば 想夫恋」です。想夫恋は、日本各地に店舗を展開していますが、別府にも店舗があるのです。別府には、想夫恋 別府春木店があります。

亀正でお腹を満腹にせずに、日田焼きそばの余力を残しておいたのでした。

想夫恋 別府春木店

夕方の中途半端な時間だったので、お店は空いていました。焼きそばと一口餃子が食べたかったので、想夫恋セットの大盛りを二人でシェアしました。

メニューはシンプル。想夫恋セットがおすすめ!
念願の日田焼きそばに会えました。見た目は普通っぽいのに、味は絶品!一口餃子も美味しかった

食べてみると確かに麺がパリパリで、もやしの食感とのハーモニーが抜群!豚肉とネギがいいアクセントになっています。そしてテーブルに置いてある紅生姜を入れて混ぜて頂くと、ソースのやや酸っぱ辛い味と紅生姜の味が絡み合って、美味しさ倍増!久しぶりに本当に美味しい焼きそばに出会えました。帰りには、テイクアウトの4食入りのお土産を買うほど気に入ってしまいました。

元祖!日田焼きそば 想夫恋

北高架商店街

本日の最後の訪問先は、北高架商店街です。別府タワーの17階の受付の方から、いろいろ別府のお話しを伺ったのですが、ぜひ行ってみかったのが、北高架商店街です。

北高架商店街のエントランス。ちょっと怪しげな雰囲気が堪りません!

壁に絵が描かれていたり、天井から動物のフィギュアがぶら下がっていたり、アーティスティックな雰囲気を醸し出している商店街です。JR日豊本線の別府駅近くの高架下にあります。寂れてシャッター街となっていましたが、若者たちがお店を出店して今の姿になりました。

レトロなお店とオシャレなお店が混在しています。天井からはラッコ?
KURUKURU
大分や別府ゆかりのアーティストの作品、お菓子やお弁当の販売、個展の開催など。個性的な品物がたくさん!
KURUKURU で飼っている亀。商店街のマスコット的存在
ワクワクする雰囲気があります
高架の下をのたくっている配管も味わい深い(笑)

北高架商店街ーInstagram

別府駅の南側には、市民の台所と言われる「べっぷ駅市場」があるのですが、ちょうど工事中だったので、行くのは断念しました。残念。。。

まとめ

今回の大分の旅の初日は、別府に泊まりました。時間の都合上、有名な温泉巡りは諦めて、ホテルの大浴場(温泉が出ます)で我慢しました(笑)

それでも、別府タワーや別府のイチオシのお寿司、日田焼きそばを楽しむことができてラッキーでした。大分もいろいろ楽しい場所が多いな〜と思いました。

このところ、酷暑が続く日本列島にあって、明日は日本で最も暑いと言われている日田市に行くので、少々緊張しました。空港でレンタカーを借りるときに「明日、日田に行くんです。」というとレンタカー屋さんのスタッフが、絶句していたほどだったので。

明日は、日田市の周辺にある小鹿田焼の里、小石原焼の窯元を訪ねます。憧れのやきものとのご対面がとても楽しみです。

それではまた。。。


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