
棟方志功の魅力を再発見!日本民藝館「棟方志功展II 敬愛のしるし」
日本民藝館で開催中の「棟方志功展II 敬愛のしるし」展を見てきました。
このところの酷暑が少し和らいだ過ごしやすい天気でした。

今年は版画家・棟方志功の没後50年の年。本日9月13日は、棟方志功の命日で、棟方志功の作品が印刷された特製のしおりが配布されていました。

もちろん、この特別展を観たかったのですが、本日は、月に数回しか公開されない西館公開日ということもあって行ってきました。
開催概要
会期:2025年8月2日(土)ー 9月15日(月・祝)
開催時間:10:00-17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
入館料:一般 1500円(1300円)大高生 800円(700円)
展示概要

基本的に館内撮影禁止なので、パンフレット等の紹介されている写真以外のご紹介ができません。それぞれの展示に関する感想を記しておきたいと思います。

棟方志功の十二ヶ月(本館2階第3室)
棟方志功が十二ヶ月を表現した作品が紹介されています。「茶韻十二ヶ月板画柵」、「柳緑花紅頌」が展示されていました。
「茶韻十二ヶ月板画柵」は、棟方志功が1956年に茶掛け用に制作した全12柵からなる板画作品集です。木版画特有の力強さと独特の表現力で四季折々の季節感を表現していました。

心偈頌(本館2階題4室)
柳宗悦の短句に棟方志功が版画を制作した作品集が「心偈頌」です。病床の柳を励ますために制作され、二人の交流の証を示す棟方志功の代表作です。鮮やかな色彩と印象的な文章が心の印象的な余韻を残します。

棟方志功展 II 敬愛のしるし(本館2階大展示室)
「いろは板画柵」「火の願ひ」「工楽頌・両妃散華」「水谷頌・讃仏偈板画経 布施の柵」などの作品が展示されていました。壁付きケース内の作品は写真撮影可能でした。
大展示室前のホワイエスペースで、棟方志功が東本願寺の襖絵を描いている記録ビデオが上映されていました。全身を使って力の限り無心で絵筆を振るっている姿には本当に感動しました。







併設展
日本の陶磁器(1階第1室)
日本の代表的なやきものの名品、約50点が展示されていました。
東北地方の工芸(1階第2室)
東北の独特の風土や文化が育んだ手仕事の工芸品が多数展示されていました。来週東北に行く予定なので、とても良い予習ができました。
濱田庄司の仕事(1階第3室)
棟方志功が愛蔵していた作品を中心に、日本を代表する陶芸家濱田庄司のおおらかで力強い作品が展示されていました。陶芸の王道の風格を感じます。
胸肩井戸と朝鮮陶磁器(2階第2室)
棟方志功が愛蔵していた朝鮮のやきものの展示がされていました。棟方志功が自ら「胸肩(むなかた)」と名をつけた茶碗類などがありました。やはり朝鮮陶磁器は素晴らしいです。
河井寛次郎の仕事(2階第4室)
民藝運動の中心的な陶芸家、河井寛次郎の作品展示です。色鮮やかな陶板、さまざまな特徴的フォルムと色彩に彩られた陶器の硯が、特に印象的でした。
各所に設置された飾り棚の展示
展示室以外にも、玄関吹き抜け廻り、各所の回廊に設置された飾り棚などに、収蔵品の棟方志功作品が展示されていました。日本民藝館の素晴らしい建物と家具とともに、民藝の独自の魅力が満載でした。
ミュージアムショップでは、棟方志功関連のアイテムや、柳宗悦関係の書籍、雑誌「民藝」のバックナンバー、ポストカード、スリップウェアのうつわなどが販売されていました。
西館(旧柳宗悦邸)
西館は、柳宗悦が自邸として1935年に施工したものです。前回訪問したときは、1階の部屋だけでなく、2階の書斎、客間などを見ることができましたが、今回は1階の食堂、客間、居間、台所などが公開されていました。けっして贅沢ではないものの、各所に柳宗悦の感性が感じられる空間とディテールは、何度訪れてもいいものです。

まとめ

今回の特別展は、棟方志功の展示ということと、今日は棟方志功の命日が重なって、今までになく多くのお客さんがお見えになっていました。棟方志功人気と、民藝への関心の高まりがあるからなのだと思います。
今年度は、これから棟方志功展III、日本民藝館展、抽象美と柳宗悦などの展示が予定されています。また、それぞれの展示を見に来たいと思っています。
今回の特別展の展示期間は、あと僅かですが、素晴らしい作品が数多く展示されています。見どころ満載ので、ご興味があれば是非お越しください。オススメです!
それでは。。。