世田谷美術館「民藝 – MINGEI 美は暮らしの中にある」展


世田谷美術館「民藝 – MINGEI 美は暮らしの中にある」展

世田谷美術館で「民藝 – MINGEI 美は暮らしの中にある」展が開催されていて、いよいよ会期が終わりそうになってきたので行ってきました。その時の様子をご紹介します。

開催概要

本展覧会は、東京→冨山→名古屋→福岡と巡回します。

東京会場

会場   世田谷美術館 1、2F展示室

会期   2024年4月24日(水)-6月30日(日)

開催時間 10:00-18:00(入場は17:30まで)

休館日  月曜日(ただし4月29日(月・祝)、

     5月6日(月・振休)は開館、5月7日(火)は休館)

富山会場

会場   富山県美術館

会期   2024年7月13日(土)-9月23日(月・祝)

名古屋会場

会場   名古屋市美術館

会期   2024年10月5日(土)-12月22日(日)

福岡会場

会場   福岡市博物館

会期   2025年2月8日(土)-4月6日(日)

民藝 – MINGEI 美は暮らしの中にある

世田谷美術館

世田谷美術館へ

世田谷美術館がある砧公園は、東名高速道路の入口ランプ横にあります

世田谷美術館は、都立公園である砧公園のなかに立地する美術館です。砧公園は、国道246号と環状8号線が交差するあたり、東名高速道路の入口ランプに隣接した場所にあります。美術館の専用駐車場が、東名高速道路のランプ横の側道の先にあります。

公立美術館で専用駐車場が用意されている美術館は多くはないので、ありがたいです。しかも東名高速道路の高架下で、駐車スペースが日陰なのも素晴らしい!

美術館への遊歩道の途中にある「芝生広場」

駐車場にクルマを停めてから、美術館まで徒歩で5~6分程度。緑豊かな公園の中を歩くのは気持ちいいです。右手に「芝生広場」、左手に子供が遊具で遊べる「子供の森」があります。そして緑陰の中の散策路を抜けると、美術館の建物が見えてきます。

世田谷美術館のアプローチ
美術館前の風景

「民藝 – MINGEI 美は暮らしの中にある」展

エントランスホールは、緩やかな曲線を描く光天井から柔らかい光が落ちてくる空間です。民藝の展覧会は、いつも混雑する印象派の展覧会と違って、それほど混んでないのではと思っていましたが、けっこう混んでましたね。ビックリです。

第 I 章 1941生活展 柳宗悦によるライフスタイル提案

1941年に柳宗悦が「生活展」という画期的な展示を開催するのですが、そのときの展示が再現されて展示されていました。展示空間の中に生活空間をつくって民藝の品を置くというものでした。この展示は撮影可だったのですが、これ以降の展示はほとんどが撮影禁止だったので、残念ながら写真があまりありません。

「生活展」1
「生活展」2
「生活展」3

第 II 章 暮らしのなかの民藝 美しいデザイン

ここでは民藝の品を「衣食住」の視点で分類して紹介されていました。衣類やアクセサリー、日常使いの器や台所用品、家具や調度品などなど。特に衣類は、テキスタイルのグラフィックが美しく見応えがありました。

日常使いの器は、日本民藝館収蔵の魅力的な器があり、黒い漆喰で塗られた七輪や美しい籠、黒い金具が素敵な箪笥、椅子やストーブ、オランダの絵付けされたタイル、木製の行燈など。さまざまな真鍮製の調度品などもありました。

日本民藝館

「第 II 章」の展示。今回の展示で許されている2つめの撮影可能エリア。今の時代、もう少し写真に寛容になってほしいです。。。

第 III 章 ひろがる民藝 これまでとこれから

ここでは広がりを見せてきた民藝の世界が紹介されていました。欧州各国や南米、アフリカなどの世界各国の民藝の品々。日本の工芸産地におけるさまざまな展開。「小鹿田焼」「丹波布」「鳥越竹細工」「八尾和紙」「倉敷ガラス」に焦点を当てて、作り手へのインタビューや実際につくられている民藝の品が展示されていました。特に作り手のインタビュー映像はものづくりの厳しさと面白さが伝わってきて、人だかりが出来ていました。現代人は、人の手の温もりが感じられる民藝モノに飢えているのではないかと感じました。

レストランと展示室を結ぶコリドー。トップライトから柔らかい光が落ちてくる心地よい空間
レストラン「ル・ジャルダン」の前には、公園の緑が広がっていました
特製カレー パンチがあって美味しかったです!
キッシュのプレート
「民藝 MINGEI」のために特別にデザインされた濱田窯の器に盛られたコラボデザート

展示の途中でお腹が空いたので、美術館内のレストラン「ル・ジャルダン」で軽食をいただきました。レストランの特製カレーとキッシュ、それと素敵なやきものに入ったパフェ。それぞれに美味しいお料理でした。

展示が終わると、ミュージアムショップでは、いろいろな民藝の商品が売られていました。たった今まで見ていたものに近いものが買えるとあって、みなさんかなり買われていたようです。私たちは、いくつかの民藝のモノと今回の展覧会の図録、赤い表紙が鮮やかで美しい鈴木繁男の「手と眼の創作」(今年の鈴木繁男展の図録)を購入しました。

鈴木繁男展「手と眼の創作」

スリップウェアの商品がいろいろありました
赤い表紙が美しい鈴木繁男の「手と眼の創作」

世田谷美術館について

世田谷美術館の模型。全体の様子がわかりますね

最後に世田谷美術館に少し触れたいと思います。世田谷美術館は、建築家内井昭蔵が設計し、1986年に開館しました。緩やかな曲面屋根が連なり、それが通路やパーゴラで有機的に繋がれている建築です。フランク・ロイド・ライトを思わせるディテールもあり、個人的に好きな建築のひとつです。中を歩いていると、のびやかで自然体の空間が印象的です。随所に見られるコダワリのディテールも素敵だと思います。

今回の東京会場の展示はまもなく終了しますが、これから冨山→名古屋→福岡と巡回します。チャンスがあれば、ぜひご覧ください。魅力的で見どころ満載の展示になっていますよ。これから民藝ブームがやってくるかも知れません!(^^)

それでは。。。

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