【日本の陶磁器を訪ねて】益子 春の陶器市に行ってきました その4


【日本の陶磁器を訪ねて】益子 春の陶器市に行ってきました その4

茨城県陶芸美術館へ

今日は、今回の益子陶器市ツアー最終日、5月4日(土)です。相変わらず天気は最高です!
最終日に何をしようか〜と相談しました。GWの後半の始まりの日なので、東京に向かう上りの高速道路はあまり混まないだろうと予想しました。とは言っても、東京への車移動が増えそうな夕方の遅めの時間になる前に帰るのが良さそう。となると、遠い場所には行けません。

せっかくなので、美術や陶芸に関するものを見たい!ということで考えたのが、

宇都宮美術館 企画展「イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い」 

笠間のひまつり 陶炎祭

茨城県陶芸美術館 企画展「魯山人クロッシング」

の3つが候補です。


宇都宮美術館は、ホテルがある宇都宮駅前から車で20分少々。一番近いです。笠間陶炎祭は、「笠間芸術の森公園」で開催されていて、車で一時間くらい。「魯山人クロッシング」をやっている茨城陶芸美術館は、笠間陶炎祭と同じ「笠間芸術の森公園」内にあるので好都合です。陶器祭は益子で堪能(詳しくは、【日本の陶磁器を訪ねて】益子 春の陶器市に行ってきました その1をご覧ください)したので、最高の陶芸家にして料理家の北大路魯山人の作品を見て、今回のツアーを締めたい!ということになりました(^^)

カンデオホテルズ宇都宮から笠間芸術の森公園までのルート

ホテルをチェックアウトして、車で走ること一時間。これといって目立った市街地がなく、山の間を縫って走るような道路でしたが、自然の風景が本当に美しい!思いがけず、素晴らしいドライブになりました。

笠間への道は、自然豊かなワインディングロードでした!素晴らしい天気!

笠間芸術の森公園に近づくと、交通量が急に増えて道路が混み合ってきました。笠間陶炎祭にくるお客さんと、公園に遊びに来る人が多くて混んでいるようでした。駐車場も満車で、停めるまで20分くらいかかったでしょうか。何とか公園の駐車場に停めることができました。

茨城県陶芸美術館へのアプローチ

企画展「魯山人クロッシング」

笠間工芸の丘 CRAFTHILLS KASAMA ホームページより 笠間芸術の森公園案内

茨城県陶芸美術館は、茨城県出身の陶芸家「板谷波山」の作品や、笠間で活躍した人間国宝「松井康成」など、優れた業績を残した陶芸家の作品を紹介しています。さすが、陶芸が盛んなエリアだけあって、こんな美術館があって羨ましい限りです。

茨城県陶芸美術館

茨城県陶芸美術館インスタグラム

笠間芸術の森公園

笠間芸術の森公園には、茨城県陶芸美術館のほか、陶芸体験施設の笠間工芸の丘 クラフトヒルズ KASAMA茨城見立笠間陶芸大学校などがあり、陶芸を学び、親しむ環境が整備されています。陶芸を志す人には夢のような環境ですね。

企画展「魯山人クロッシング」

さっそく企画展「魯山人クロッシング」を観てみましょう。

北大路魯山人

展示室に入る前に、美術館のスタッフの方から説明があって、毎週土曜日が「話そう・聞こうの日」と題して、作品についての会話を楽しみながら鑑賞することを推奨している日なんだそうです。とてもユニークでいい企画だなと思いました。これなら子供達が話しながら見ることもできるし、普段とは違う雰囲気で作品と向き合えます。その上、作品は撮影可能だったので、写真をたくさん撮りながら観て回ることができました。素晴らしい〜(^^)

「食と器、作陶の開始 本歌に学ぶ」

魯山人は40歳の頃、作陶を始めました。「美食倶楽部」を開店した時期です。「美食倶楽部」で使う器を自分で作ることにしたのが、魯山人の作陶の始まりです。初期の作品は古陶磁の模倣が多かったようです。前半は、本歌に学んだ作品を中心に構成されていました。

金襴手蓋物(十客)
鯰向付(五客)
九谷風菖蒲文平向(十客)
呉須赤絵魚の絵鉢
織部風汁次ぎ(一対)
信楽平向(五客)
織部扇形鉢
織部扇形鉢
天井が高く、気持ちいい展示室
伊賀釉木の葉鉢
赤絵湯呑み(六客)
日月椀(五客)

「これぞ魯山人、美の真髄」

展示の後半は、日本らしさが強く感じられる作品が多く展示されていました。魯山人らしさが花開いた独自の美の世界です。何かの模倣ではなく、これぞ「魯山人」と言える作品ばかり。作陶を開始以前から取り組んでいた篆刻や濡額(ぬれがく)、絵画の展示もありました。

染付詩文花器 良寛詩
色絵糸巻四方皿(五客)
絵瀬戸葡萄図四方皿(五客)
鉄絵紅葉文皿(十客)
志野銘々皿(五客)
篆刻「晝陰静」
赤呉須金襴手徳利(五客)
織部彫手野草長鉢
銀彩マリ絵鉢
銀彩木葉鉢
萩釉うずまき平向(五客)
展示室前のホワイエ

展示スペースはそれほど広くありませんが、自由に見て回れる動線設計になっていて、気持ちよく見ることができました。また、コンパクトに魯山人の世界が堪能できる素晴らしい展覧会だったと思います。また「話そう・聞こうの日」で、自由な気持ちで見られたのもラッキーでした。

益子 春の陶器市のインプレッション

お昼の時間を少し過ぎていたので、食事をしようと思ったのですが、美術館のレストラン「風の丘」は待っている人がかなりいました。それでも、そばと自慢のゆばうどんを笠間焼の器で頂けるというので、それに惹かれて待ちました。ランチセットは充実でした。品数もボリュームも充実していて本当に美味しかった。待っている人が多いのも納得でした。

施設内のレストラン「風の丘」 野菜天丼とハーフそばセット

まだ15時前です。
それほど遅くない時間でしたが、GWの高速道路の渋滞が心配で、笠間陶炎祭は次の機会にすることにして、帰途につくことに。常磐自動車道経由で帰りました。早く出たことが功を奏して、途中の休憩を含めても2時間程度で帰宅。

最後に、今回の益子陶器市を訪問して印象的だったことをまとめてみました。

  • 若手陶芸家の魅力的な作品が多かった
  • 人気陶芸家が数多く出店していた
  • 伝統的な益子焼作品が多かった
  • 思った以上に大勢の人が集まっていた(春で約40万人、秋で約20万人)
  • ホテルを取るのが本当に大変!

とても充実した時間を過ごすことができたので、次回もぜひ行きたいと思っています。次回は、もう少し早めにホテルを確保して、益子陶器市なら2日、今回は見られなかった笠間陶炎祭なら1日かけて楽しみたいです。

益子陶器市 第110回 2024秋は、11月2日から11月5日の予定。楽しみです。
ぜひ皆さんも遊びにきてみてくださいね! それではまた!

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