週末の楽しい過ごし方!重要文化財がある護国寺骨董市を楽しむ!


週末の楽しい過ごし方!重要文化財がある護国寺骨董市を楽しむ!

都内でまだ行ったことがなかった「護国寺骨董市に行きたい!」ということになり、急遽週末に護国寺骨董市に参戦することになりました。この骨董市は、毎月第2土曜日開催ということになっていて、ちょうど翌週の土曜日が開催日というタイミングでした。

護国寺骨董市公式ホームページ

開催予定表

護国寺骨董市について

大本山護国寺の概要

護国寺の創建は、1681年に五代将軍徳川綱吉公が、生母の桂昌院の発意によるものだそうです。明治と大正の火災で建物の多くを失ったそうですが、その後再建が進み、現在の姿となっているとか。重要文化財の本堂をはじめとして、多くの文化財があります。大隈重信など多くの著名人の墓所でもあります。

大本山護国寺

護国寺本堂 文化遺産オンライン

護国寺へのアクセス

護国寺は、東京都内では、電車の乗り継ぎが良くないので、場所の割にはアクセスしづらいというイメージがあります。電車では、東京メトロ有楽町線「護国寺駅」、車の場合は、首都高速五号線「護国寺出口」、バスの場合は、都営バス「護国寺前」が最寄りになります。

護国寺周辺の航空写真

護国寺へのアクセス

護国寺はパーキングが少ない?

いつもは骨董市で買ったものを持ち帰るので、クルマで行くことが多いです。今回は、護国寺周辺には駐車場があまり多くないと思い、今回は電車で行くことにしました。この判断がのちほど大誤算でした。その話はのちほど。。。

東京メトロ有楽町線の「護国寺駅」は、護国寺の真横に出口があって、駅からのアクセス性は良好です。境内の入口の横には交番があり、守られている感覚は半端ないです(^^) そしてショッキングなことに、護国寺に隣接して、なかなか立派なコインパークがあるではありませんか!しまった、クルマで来ればよかったという思いが脳裏をよぎったのは、いうまでもありません(苦笑)

護国寺骨董市リポート

それでは早速、骨董市の様子をリポートしたいと思います。

東京メトロ「護国寺駅」を出ると、空は雲も少なく晴れ渡っています!まず、大本山護国寺の表門である「仁王門」が目に入ります。正面の両脇に金剛力士像が安置されていて、骨董市の幟が並んでいました。日本人に混じって、外国人の姿も見えます。

大本山護国寺「仁王門」

「仁王門」をくぐって、参道を歩きます。階段を登ったところにある「不老門」の先には、「観音堂(本堂)」周辺の境内が、骨董市の会場になっていました。重要文化財の「本堂」を背景にした骨董市の風景は、境内の風格が感じられて本当に素敵なんです。

「不老門」への階段
「不老門」への階段を登ります

テントを張って日差しを防いでいるお店もありますが、屋根がなく日差しがそのまま商品に当たっているお店が多くて、商品を触るとかなり熱くなっていました。手に取ってみるのも熱くて大変でしたね。お店の方も暑くて大変そうでした。

「不老門」を抜けると骨董市会場です

古伊万里や九谷焼などのやきものを扱っているお店が多く、面白いものがいろいろありました。ざっくばらんに話をして下さる方が多くて、商品の年代や背景の説明も聞くことができました。私たちが何点か購入したお店のご主人は、お会計のときに思いがけず値引きをして下さったので、一気に気分が盛り上がりました!

古伊万里などの器がたくさん

その他にも、さまざまなお店がありました。東北地方の民藝がお気に入りで東北を中心に仕入れている方、昭和のレトロなグッズを中心に扱っている方、古美術全般、アクセサリー、古着や制服、古い着物や帯、仏像や甲冑、古い人形や動物の像、古文書や浮世絵、絵画、古い本、雑誌やレコード、古い昭和の玩具、日常品の古い雑貨、古い食器類や調理道具、古いポストカードや写真、映画のチラシ、洋食器、壁掛け時計やフィルムカメラなどなど。

面白いものがいろいろ売られています
「本堂」の横のお店は木陰の中で過ごしやすい
「本堂」から「不老門」を見る
「観音堂(本堂)」

高価で貴重なものから、ガラクタに近いものまであって退屈しません。一番楽しいのは、店主さんとのやりとり。本当に勉強になることばかりなんです。そして店主さん同士も顔馴染みが多いようで、楽しげに挨拶を交わされていました。いい雰囲気です。

東北の民藝にこだわったお店。店主のコダワリの価値観が伝わってきました
木陰のお店は過ごしやすい

Tiger Calculator との出会い

今回もお気に入りのモノにいくつか出会いましたが、一番のお気に入りはレトロな手廻計算器です。本堂の右側の奥の方にあったお店で発見しました。店主の方はとても話し好きで、楽しそうに骨董の蘊蓄を話してくれました。

一番目立つ場所に、黒くて存在感がある機械が鎮座していました。最初は古いレジスターかなと思ったのですが、レジスターにしては少し小ぶりなので、店主に「これは何ですか?」聞くと「これは計算器だよ!」と教えて下さいました。大正から昭和にかけて販売されたタイガーというメーカーの「手廻計算器」とのこと。

この小さくて奇妙な機械がすっかり気になってしまって、一度その店を離れて境内を一周してから、またその店に戻ってきました。お値段を聞いてみると、何とか買える金額だったので連れて帰ることにしました。重量は見かけによらず、こんなに小さいにも関わらず6kgもあるんです。ちょっとしたダンベルの重さですね(^^)

今日はクルマで来なかったので、本当に途方に暮れてしまいました。持ちやすいように梱包して取手を付けてもらって何とか持てましたが、しばらく持って歩いているとだんだん腕がツラくなってきます。それに耐えて、何とか地下鉄とJRを乗り継いで帰還しました。

やっぱり骨董市はクルマで行くべし!後悔先に立たず!

自宅に帰ってから、この計算機について調べてみるとこんなことが分かりました。

 ⚪︎大本寅次郎が発明し、大正12年(1923年)から「虎印計算器」として販売開始

 ⚪︎米英独3カ国でも特許取得した「産業遺物」

 ⚪︎今回の機種は、昭和24年発売のもの

 ⚪︎公務員初任給4863円の時代に28400円
  (約5.8倍。現在の初任給を25万円としたら約150万円相当)

 ⚪︎手廻し式計算機の独特の操作方法がある

 ⚪︎昭和45年(1970年)に販売完了

まさに日本の産業の歴史そのもの!

タイガー手廻計算器資料館

「タイガー手廻計算器」右の大きなハンドルを廻すと、上の数列に左下の数列が掛けられて、右下の数列が答えになります
手前の黒いハンドルを廻すと計算できます
こちらのハンドルを廻すと、数字がゼロにキャンセルされます
誇らしげな「タイガー計算器」のロゴ

とても興味深い機械です。スマホアプリで簡単に計算できる時代に、全くの無用の長物ですが、独特の存在感とキッチリ動いて役割を果たす健気さには感動しました。複雑な動きを実現する機械工作精度が大正時代から実現されていたということです。日本の技術力の一端を実感させてくれます。店主がメンテナンスしてあるよ、と言っていたとおり、しっかり動いて働いてくれる程度の良い状態でした。

この計算器は、実用的な役割はとっくに終えていますが、置物として鑑賞する魅力は十分持っています。いろいろいじって使い方は理解しました。今は自宅の机の上に置いてあって、気が向いたときに手廻しで計算してみたりして、独特のメカニカルな動きと感触を楽しんでいます。

護国寺骨董市の魅力とは

護国寺骨董市の魅力は、何といっても重要文化財の本堂に見守られた風格ある境内で、骨董を楽しむことができることです。まさに日本の文化と歴史が感じられる骨董市です。

この骨董市で見ることができるモノは、実に多彩で眺めていて飽きません。それぞれの骨董店の店主が自らの目利きで揃えた商品が並んでいるので、買う買わないにかかわらず、楽しい時を過ごすことができます。

そして骨董市としては、それほど規模が大きくないので、お互い顔見知りのお店が多くて、和気藹々と笑顔が絶えない雰囲気が魅力です。お客さんと店主のコミュニケーションも活発で、あちこちで話に花が咲いていました。

こんな護国寺骨董市、ぜひ一度訪問されてはいかがでしょうか?

楽しいですよ!

それでは。。。

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