信楽の陶芸作家に会う!『セラミックアートマーケットin陶芸の森2024』


信楽の陶芸作家に会う!『セラミックアートマーケットin陶芸の森2024』

信楽といえば、例の狸の置物を想像してしまいます。

また、信楽焼といえば、土の素朴さを生かした大きく肉厚な陶器というイメージだと思いますが、信楽で作陶されている作家さん達は、思った以上に多彩な作品を制作されていました。

今回、滋賀県信楽町で開催された『セラミックアートマーケット in陶芸の森 2024』を初めて訪れて、信楽の陶芸の現在形、信楽の魅力を感じることができました。

開催概要

開催概要は次のようになっています。

第29回 信楽セラミック・アート・マーケット in 陶芸の森 2024

開催日程:令和6年 10月4日(金) ~ 6日(日) 9:00~17:00(最終日は16:30まで)

開催地:滋賀県立陶芸の森 住所 : 甲賀市信楽町勅旨2188-7

アクセス:公共交通機関 信楽高原鐵道/信楽線 「信楽」 下車 徒歩 20分

     車      新名神高速道路「信楽IC」より8分

     駐車場    普通車 250 台

第29回 信楽セラミック・アート・マーケット in 陶芸の森 2024

「陶芸の森」へのアクセス

今回、東京から信楽に行きました。正直言って、結構遠かったです(^^)

羽田から大阪空港(伊丹)に飛んで、そこからレンタカー。高速道路を使って、途中のSAで食事や買い物をしながら、1時間半強から2時間弱という感じでした。

滋賀県甲賀市信楽町は、琵琶湖の東南のエリアで、周囲は山と森に囲まれた環境です。

最寄りの信楽ICから、一本道で10分弱程度でした。ICからは分かりやすかったです。

「陶芸の森」に近づくにつれて、狸のやきものを並べているお店が沿道に増えてきて、「あぁ、信楽に来たな〜」と実感しました (^^)

狸の置物を置いているお店が増えてきました

高低差があるダイナミックな地形が特徴の「陶芸の森」

会場の「滋賀県立 陶芸の森」は、やきものを素材に創造・研修・展示など多様な機能を持つ公園として、平成2年6月に開設されました。

さすが「やきもの」の本場だけあって、やきものを中心に据えた公園が整備されているなんて素晴らしいですね。羨ましいですね〜、いいなぁ。

陶芸専門の美術館「陶芸館」、信楽焼の最先端を発信するショップ&ギャラリー「信楽産業展示館」、アーティスト・イン・レジデンスによって集まった世界の陶芸家が滞在して制作活動をするスタジオ「創作研修館」、やきもののアート作品が点在する憩いの「広場」などから構成されています。陶芸文化を感じながら、憩い、学び、創造し、楽しめる素晴らしい環境です。

滋賀県立 陶芸の森

私たちが「陶芸の森」を訪れて感じた第一印象は、敷地に大きな高低差があるダイナミックな公園だな〜ということでした。

駐車場が何ヶ所かあるのですが、私たちが駐車場係の方に案内されたのは、敷地の中で最も高い場所にある駐車場でした。

車を停めて、会場に行こうとして周辺を見渡すと、階段でかなり下ったところに「信楽産業展示館」と、マーケットに参加している陶芸作家さんの白いテントが見えました。

雨模様の会期初日。「信楽産業展示館」とマーケットのテントが並ぶ「広場」を見渡しました

この日は会期初日でした。あいにくの雨模様の日でしたが、広々と視界が開けているダイナミックな景観に感動しました。

他とは一味も二味も違う 地元密着の陶器市

急で長い階段を降りて、陶芸作家さん達のテントを巡ります。

この日は雨がかなり降っていて、傘を片手に作品を見て回るのが大変でした。

雨のせいか人が少なかったので、そういう意味では見やすい環境でしたけど。

テント配置図

陶器の器で人形の表現を追求している作家さんがいました
この作家さんの作品は、信楽焼らしい力強さが魅力的でした
小さな人の顔の作品がありました。いろんな表情があって楽しいです
広場の中心に設置された本部テントが左側に。テント配置図などのパンフレットを配布しています
一番人気だった「古谷製陶所」のテント。リンゴの器などが人気。2日目は晴れたので大混雑でした

1日目は、金曜日で雨だったこともあって、思っていたほどはお客さんがいませんでしたが、2日目は、一転して快晴となって、会場の風景も見違えるように活気がありました。

2日目の会場風景
ところどころに陶芸のアートが置かれています。伊藤環 階段
ガラス作家「林 和浩」さん KAZUWのブース

陶芸作品が多いマーケットですが、ガラス作品もありました。

KAZUWの「林 和浩」さんは、「信楽産業展示館」の前のブースで作品を展示していました。作品についてお尋ねしたところ、とても話が弾んで楽しい時間を過ごすことができました。

伊吹山山麓にある築120年の古民家で創作に取り組んでいるとおっしゃっていました。

KAZUW

「林 和浩」さんの動くガラス作品。中に水を入れておくと、太陽の光が当たって周囲に虹が映る作品

会場は美しい芝生の広場で、白いテントがゆとりをもって配置されていて見通しもよく、気持ちよくテントを巡ることができました。周囲には緑が映える山々があって、屏風のように会場を取り囲んでいます。

会場の様子。芝生と山々の緑がきれいでした
「藤原 志鈴香」さんの作品。いろいろなフォルムと釉薬の表情があって素敵でした

藤原 志鈴香

「高橋 燎」さんのテント。釉薬が生み出す色と表情が素晴らしい作品

高橋 燎

「toubou AUN」のうつわたち。白化粧に描かれた可愛いグラフィックが素敵です

toubou AUN

ご紹介してきたように、「信楽セラミック・アート・マーケット」に出展している作家さんは、個性的で素晴らしい作品を作っている方が多かったです。

出展者の募集要項をみると、基本的に滋賀県の陶芸作家、工芸作家であることが条件になっているため、信楽で作陶している方が多いようです。

国内の他の陶器市やクラフトフェアは、全国から募集と選考をして、全国の作家さんが集まっていることが多いです。そのため、結果的に同じ作家さんが各地の陶器市やクラフトフェアに参加することもあります。

信楽セラミック・アート・マーケット」は、地元の作家の活躍の場をつくることが一つのコンセプトになっているので、信楽の独自のものづくりの現在形が体験できるイベントになっていると思います。

お客さんも地元の方が多いようで、私たちが東京から来ましたと言うと、ビックリされることが多かったです。地元のつくり手と地元のファンが集まるイベントなんだなと感じました。

人気のイベントなのですが、有田陶器市のように何十万人もの人が訪れる大規模なイベントと違って、こじんまりと信楽らしさが楽しめるイベントだと思います。

全国区の人気作家が集まるイベントも魅力的ですが、このようにローカルな信楽の地元ならではのものづくりが楽しめるところが素敵だな、と思いました。

それと、あちこちでお話をした信楽の人たちの人柄が暖かくて、とてもほっこりした気分になりました。初めて訪れる場所は、いろんな発見があって楽しいですね。

「陶芸の森」の中の「陶芸館(陶芸美術館)」で開催されていた特別展「躍動するアジア陶磁ー町田市立博物館所蔵の名品からー」についてのレポートはこちらをご覧ください。

「躍動するアジア陶磁ー町田市立博物館所蔵の名品からー」

それでは、また。。。

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