「書く」だけでなく「持つ」こと「見る」のが楽しい!『スケルトン万年筆』


「書く」だけでなく「持つ」こと「見る」のが楽しい!『スケルトン万年筆』

万年筆好きを公言してはばからない私ですが、とりわけ好きなのが「スケルトン万年筆」。

ボディが透明や半透明で、内部機構やインクの色が見えるデザインの万年筆のこと。腕時計でもスケルトンのものがありますが、時計の場合は時を刻む時計の機構(ムーブメント)が見えていて魅力的です。

いずれにしても、本来はボディに内蔵されていて直接見ることができない部分が見えるのが魅力ですよね。

インク色と残量が分かる

色鉛筆などは軸に色が塗られているので芯の色が分かりやすいし、カラーペンなどの場合も軸やキャップがその色になっているので分かりやすいです。万年筆の場合は、廉価版のものは別として本格的な万年筆はインクの色を知る方法はありません。そもそも入れているインクの色によって変わるので、中のインクの色を知るにはインクが見えるように、軸を透明にするのが唯一の方法になります。胴軸の一部を透明にして、インク色やインク残量がわかるようにしているモデルもあります。

スケルトンの万年筆であれば、インク色とインク残量を簡単に知ることができます。これはスケルトン万年筆の醍醐味ですね!そしてカラフルなインクが入っているスケルトン万年筆が集まると見た目に華やかで楽しい風景が楽しめます。

内部機構が見える

万年筆の大きな魅力の一つは、その独特の機構です。二つに分かれたペン先が紙に当たって「毛細管現象」によって、インクがインクタンクが流れてくるという仕組みです。

この仕組みを実現する技術的な解決方法が、時代やメーカーによってさまざまなバリエーションがあって、それが万年筆の個性と多様性を生み出しています。ふつうは機構は軸の中に内蔵されているので、外からは見えません。

ところがスケルトン万年筆であれば、その内部機構がレントゲン写真のように可視化されます。内部機構の働きや動きを感じながら文字を書くのはとても楽しいものです。

Pelikan M205とM200 ほぼ同じデザインですが、こんなに印象が違います

特に機構の違いを感じるのは、インクの吸入機構です。

 ・カートリッジ式:インクカートリッジを首軸に差し込んでインクを供給する方式

 ・コンバーター式:インクカートリッジの代わりに注射器のようにインクを吸い上げるコンバーターを使ってインクを吸入する方式

 ・回転吸入式(ピストン式):尻軸を回転させて内蔵されたピストンを動かすことで、インクを吸い上げる方式

それぞれの方式の特徴がありますが、スケルトン万年筆として最も目を楽しませてくれるのは、回転吸入式(ピストン式)です。インクタンクが胴軸と一体化していて、その内部のピストンの機構と動きはとても魅力的です。

お気に入りのスケルトン万年筆

プラチナ万年筆 PLATINUM #3776 センチュリー 忍野

プラチナ万年筆 PLATINUM #3776 センチュリー 忍野 透明感が高い胴軸、柔らかい曲線で構成されたデザイン

ラチナ万年筆の独特な扁平なフォルムのペン先を持つ#3776 センチュリーのスケルトンモデルが「忍野」です。しなやかで安定した書き味のペン先は私のお気に入りの一つ。プラチナ万年筆が誇るインク乾燥を防ぐ「スリップシール機構」も見ることができます。

インク吸入機構は、回転式のコンバーター式です。スケルトンで見られることを意識してスリムにデザインされたコンバーターなので、回転吸入式のような雰囲気に仕上がっています。

シンプルで洗練されたディテール

富士山麓にあって美しい湧水で知られる「忍野八海」の水の透明度を追求するというコンセプトで、柔らかい曲線と滑らかなデザインとなっています。

プラチナ万年筆 万年筆 F 細字 3776 センチュリー 忍野 PNB-20000A 5-2 正規輸入品

Pelikan ペリカン クラシック デモンストレーター M205

ペリカンの定番のスケルトン万年筆。デモンストレーターとは、もともとペリカンが吸入方式を説明するためのデモンストレーション用として開発されたもの。まさにスケルトン万年筆のオリジンと言ってもいいと思います。

Pelikan ペリカン クラシック デモンストレーター M205 ドイツ製らしいカチッとしたデザイン

インク吸入機構は、回転吸入式(ピストン式)。尻軸を回転させるとピストンがインクを吸入します。シンプルで洗練された機構はさすがペリカンという感じです。

ペリカンのラインナップの中では、コンパクトな定番モデルM200と同様、扱いやすいサイズ感が気に入っています。ポケットに突っ込んで持ち歩ける気軽さが魅力です。

回転吸入式(ピストン式)の機構がよく分かります。書き味も素晴らしい

ペン先はステンレススチール製なのでカジュアルな位置付けですが、少しソリッドな感触はありますが、書き味もなかなか素晴らしいです。

Pelikan ペリカン 万年筆 M 中字 クラシック デモンストレーター M205 限定 正規輸入品

PILOT万年筆 カスタムヘリテイジ92

パイロット万年筆のスケルトンモデルといえばコレ。直線を基調としながら、カチッとした端正なデザインが気に入っています。手に持つとしっかりと重量感があって高級感を感じます。

PILOT万年筆 カスタムヘリテイジ92 

インク吸入機構は、回転吸入式(ピストン式)。尻軸のテーバーの具合とか、吸入機構のディテールにもこだわりが感じられて、所有する満足感が感じられます。

ペン先の書き心地は、滑らかでありながらペン先が紙に吸い付くような感触があって、文字を書くことが楽しくなります。今回ご紹介する中では抜群の書き味ですね。字を丁寧に書くことを楽しみたいときは、カスタムヘリテイジ92をチョイスすることが多いです。

デザインも書き味も秀逸です

PILOT 万年筆 マンネンヒツカスタムヘリテイジ92SシキNCFM ノンカラー

セーラー万年筆 プロフェッショナルギア スリム デモンストレーターモデル

セーラー万年筆 プロフェッショナルギア スリム デモンストレーターモデル 実用的でコンパクトな万年筆

セーラー万年筆のとてもコンパクトなスケルトン万年筆。

コンバーター式とカートリッジ式の両用式。

この万年筆の一番の魅力は、このコンパクトなサイズでスケルトンであること。他のスケルトン万年筆と一緒に持ち歩ける気軽さが気に入っています。

セーラー万年筆 万年筆 プロフェッショナルギア スリム 銀 デモンストレーターモデル 細字

KawecoSports アイススポーツ

コンパクトな「スポーツ」モデルで有名なドイツの万年筆。1976年に会社を閉鎖したものの、1995年に復刻されてから万年筆ブランドとして人気を博しています。

KawecoSports アイススポーツ 弾丸の薬莢のようなデザインが個性的です
ポップなカラーでカジュアルに楽しめる万年筆です

私は以前、原宿のセレクトショップでブラススポーツという真鍮モデルを目にして以来、Kawecoのファンになりました。弾丸の薬莢のように短い独特のデザインにガツンとやられました。

アイススポーツは、スケルトンボディとポップなカラーのシリーズ。ボディは樹脂なので、他のKawecoのスポーツモデルよりもリーズナブルで気軽に使えます。ペン先はスチール製で硬めの書き心地です。

コンバーター式とカートリッジ式の両用式ですが、ボディが小さいためにカートリッジのインク容量が少なくコスパがあまり良くありません。コンバーターの動きが渋い上に小さくて使いづらいので、コンバーターか、空になったカートリッジにシリンジでインクを補充して使うのが良いと思います。

様々な素材のモデルがありますが、サイズは共通性が高いです
キャップを入れ替えて、こんな遊び方もできます

カヴェコ Kaweco 万年筆【コンバーター付き】 M 中字 アイス スポーツセット ハイライターイエロー 1.9mm 両用式

スケルトン万年筆のメンテナンス

スケルトン万年筆の魅力はいろいろあるのですが、スケルトンであるが故に、内部の汚れがそのまま見えてしまうという問題点があります。長く使っていたり、そのまま放置したりしていると、インク汚れがなかなか取れないこともあります。ネジ切り部分に入り込んでしまったインク汚れなどはなかなか取れません。

水で洗浄したり、素材を傷つけないような柔らかい布で拭くなどが基本的なメンテナンスになります。アルコールを使ったり、研磨剤入りのクリーナーを使ったりすると変色したり傷が残ったりするので、メンテナンスには細心の注意が必要になります。

傷がついてしまうと普通の万年筆以上に目立ってしまうので、優しく扱ったり、こまめにクリーニングするなど、丁寧な使い方を心掛けています。

スケルトン万年筆好きの方へ

以前と比べると、スケルトン万年筆の種類もかなり増えてきました。

リーズナブルな価格帯のものも多くなってきました。廉価な価格帯のものは、素材感や手に持った感触がやや軽めな印象になりますが、インク色やインク量が見えたり目を楽しませてくれます。

高級レンジのスケルトン万年筆はそれに加えて、凝ったインク充填機構の動きが楽しめたり、際立った透明感や高級感といった魅力があります。

自分の使い方や書き心地の好みで選ぶ万年筆の魅力に、スケルトンで中身が透けて見える万年筆という選択肢が増えると、万年筆ライフの楽しさが広がってきます。

個人的な希望ですが、スケルトンの醍醐味をさらに楽しめるスケルトン専用設計の万年筆が出てくれればいいなと勝手に思っています。さらに進化した新しいスケルトン万年筆の登場が楽しみです。

それでは。。。


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